Classici giapponesi con furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Leggi 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.233 caratteri · 223 schermate
彼は何故か一寸口籠ったが、
『まァ、いってみれば、僕はあのまどろみの快感を味わいたいからなんだ、あのぬくぬくと暖かい床の上に長々と、ねているのか、覚めているのか、そんな訳のわからぬ快よい線を彷徨いながら起きる気持、手足には鉛がつまったように、いまにも抜け落ちそうなカッタルさ……僕にはその気分がたまらなく好ましいんだ、で、始めの中は、早く起きてはそのふらふらするような快感に陶酔していたんだが、それが段々深味におちて、もう救われなくなってしまったんだ――「眠り」という与えられたものを無理に引剥がした――罪かもしれないね……』
彼は、こういうと寂しそうな声をたてて笑うのであった。
(無理に眠りをへらして、そのふらふらする気持に陶酔するなんて……)
(でも、黒住のような変屈者には、そういうものかも知れぬ……)
『君、それだけの理由じゃないだろう』
私はワザと詰問するようにいった。
『えっ、そんなことは……じゃあ、一緒に家へ来ないか――』
彼はギクリとしたように立ち上ると、もう出口の方へ、あゆみはじめた。
五
私は、その痩せ呆うけた黒住の肩口を見詰め乍ら、彼について行くより仕方なかった。