Classici giapponesi con furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Leggi 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.233 caratteri · 223 schermate
煙のように、淡く飛び去った幼ない思い出の中に、今でも網膜に焼付けられた、一つの絵があります。――それは小学校の校庭でした。
女生徒の体操の時間で、肋木につかまった生徒達が、教師の号令で、跼んだり起きたりしています。二階の窓ぎわにいた景岡秀三郎が、フト、その一群に、眼をやった時でした。
音もない風が、梢から転び落ちると、恰度跼み込んだ女生徒のスカートを、ひらりと反したのです。ハッとした秀三郎は、僅かの間でしたが、眼頭の熱くなるのを感じました。
今、こうして瞼を閉じても、その搗きたてのお餅のようなふっくりとした太腿へ、真黒なガーターが、力強く喰込んでいるその美しさに、吾れ知らず鼓動が高まるのです。
長ずるに従って、次第に瞼の裏には、様々な美しい肉体の粋が、あるいはくびれ、或はすんなりと伸びて、数を増し、追っても、払っても、なよなよと蠢めき、薄く瞼を閉じるとそれらは、青空一杯に、白い雲となるのでした。
斯うした景岡の眼には、自然の草木はなんらの美をも齎らしませんでした。そして肉体の探窮美にのみ、胸を摶たれるのです。
その美への憧れは、案外急速に実現されました、というのは、景岡が大学を出て間もなく、僅かの間に、続いて両親を亡い、それと同時に、少なからぬ遺産を受継いだからです。