Classici giapponesi con furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Leggi 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.233 caratteri · 223 schermate
『そうで……なんでも若い者のいうことでは秋本ネネとかいう女優かなんかだそうでして……』
『ナニ――』
私は、ガバとはね起きた。
『死んだか――』
その返事も聞かずに、飛出した。
太郎岬の下を廻る県道まで一気に馳けつけて見ると、成るほど一台の緑色に塗られた新型のクウペが、玩具のように二丈ばかりもある岩磯の下に転げ込み、仰向にひっくりかえって、血かガソリンか、其処らの岩肌には点々と汚点が飛んでい、早くも馳けつけた青年団の連中が、その車の下から、一人の男を引ずり出しているところであった。
その傍の岩の上には、あの、ネネが、前よりも一層美しくなったように思われるネネが、喪心したように突立って、手を握りしめ、帽子を飛してしまった頭髪を塩風に靡かせながら、凝乎と、青年団の作業を見守っているのであった。
(ネネは怪我をしていない――)
私は、「ネネ、ネネ」と大声で呼びたい心をやっと押えつけて、転がるように磯にまで行ったが、さて、真近に行って声をかけようとした時、又もグッとその声を飲んでしまった。
其処に、春日がいるのである。
『やあ――』
私は、わざとゆっくり声をかけた。