Classici giapponesi con furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Leggi 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) di 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.233 caratteri · 223 schermate
そんな声が聴えて、ハッとされたことはありませんか――これを幻聴と申しますが――私の場合は、それを押拡げて机に向ってぼんやり考えごとをしている時、ふと何処からともなく『今Mデパートから飛下りて死んだ人があるよ』そんな囁きが聴えたとします。そして、翌日何気なく開いた新聞の社会面にそのニュースを発見したとしたら、どんなに恐ろしいことでございましょう。
そんなことが私にはよくあるのです。街の中を消防自動車が物凄い唸り声を上げて馳って行きます。私はその喧しい唸り声の中に『今に――座が焼けているんだ』そんな言葉をハッキリ聴きとることが出来るのでございます。そして、前申しましたように、恐ろしいことにはそれが、事実とぴったり符合するのでございます。
――神経衰弱に違いない、私もそう思ったのでございました。混迷錯綜する都会の、あくどい悪戯に違いない、そう思って、田舎にかえってもみたのでしたけれど……
やっぱり駄目でした。あの朗らかに歌う小鳥の唄の中にも、血なまぐさい殺人のニュースが、死屍や腐肉の味覚が、無遠慮にまきちらされているのでございます。
四面楚歌――そんな妙な形容詞が、どうやら当篏りそうでございます。