Classici giapponesi con furigana
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きょうふのまぼろしへいだんいん
恐怖の幻兵団員
大倉 燁子
Leggi 恐怖の幻兵団員 (きょうふのまぼろしへいだんいん) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.784 caratteri · 28 schermate
しているので、間に入って私は身を切られるように辛いんですの」
「一雄さんが行方不明になられたことは、伯爵は御存じないんですか?」
「秘してあるんですの。母だけは存じておりますが――」
「何故、秘していられるのです?」
「云ったら大変ですわ。重病人の親を捨てて姿を晦ますような不埒な奴にはこの家の相続はさせられない、と、いうことになりますもの。それでなくっても、次男の薫さんに相続させたいという考えが、何かにつけて見えますんでねえ。たまらないんですの。姑が間に入って取りなしてくれております間に、どうしても一雄を探し出して、最後の看護をさせませんと、松岡家は薫さんにとられてしまいますネ。昨夜も親族会議でそういうように決議したらしいのでございます。ですから、どうあっても一雄を探し出して頂きたいんで――、ほんとに、先生、私一生のお願いでございますから、探して下さいましね」
「捜査願いは出されましたのですか?」
「ええ。出しましたが、次ぎ次ぎに大きな事件が出てくる昨今のことですから、家出位は大した問題にもされないとみえて、まだ何の手がかりもないのでございます。それで、私はもうそういう方面に実は見切りをつけまして、誰にも相談せずに、先生のところへ飛び込んで、お願いにまいったんでございます」