Classici giapponesi con furigana
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あくいんねんのうらみ
悪因縁の怨
江見 水蔭
Leggi 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) di 江見 水蔭 (えみすいいん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.705 caratteri · 28 schermate
どうも飛んだ事で御座いましたねえ」と嬶さん未だに以て、ガッカリしていた。
「お嬶さん、今度は私が調べに来たんだ。礼はウンと出すよ。宗匠は何程出したか知らねえが、この市助はケチな上前なんか跳ねやアしねえ。五十両出すよ、五十両」
「それがねえ、五十両が百両お出しになりましても、いけないので御座いますよ」
「いけねえのは分っているが、そこを活かすのが市助の智謀なんだ。お前にしろ、宗匠にしろ、正直だからいけねえのだ。俺に法を書かせるとこういう筋にするんだ。好いかい、先ず羽田で一番慾張りで年を取った者を味方に附けるんだ。その年寄にお玉の素姓を問合せて見たところが、その年寄の云うのには、あれは松五郎の実の娘では御座いません。これには一条の物語が御座いますと云わせるんだ」
「ああそんな役廻りなら、宅の隠居をお遣い下さいまし。慾張りでは羽田一番ですから」
「そこで、その一条の物語というのを書卸すのだがね。竜神松五郎が房州沖で、江戸へ行く客船を脅かして、乗組残らず叩殺したが、中に未だ産れ立の赤ン坊がいた。松五郎の様な悪人でも、ちょうど自分の女房が産をする頃なので、まア、それに引かされて連れて帰って見ると、自分の子は死んで産れたところで……これこそ虫が知らせたので、ちょうど好い。