Classici giapponesi con furigana
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あくじゅうへん
悪獣篇
泉 鏡花
Leggi 悪獣篇 (あくじゅうへん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.715 caratteri · 73 schermate
この川沿は、どこもかしこも、蘆が生えてあるなれど、私が小家のまわりには、また多う茂ってござる。
秋にもなって見やしゃりませ。丈が高う、穂が伸びて、小屋は屋根に包まれる、山の懐も隠れるけに、月も葉の中から出さされて、蟹が茎へ上っての、岡沙魚というものが根の処で跳ねるわや、漕いで入る船の艪櫂の音も、水の底に陰気に聞えて、寂しくなるがの。その時稲が実るでござって、お日和じゃ、今年は、作も豊年そうにござります。
もう、このように老い朽ちて、あとを頂く御菩薩の粒も、五つ七つと、算えるようになったれども、生あるものは浅間しゅうての、蘆の茂るを見るにつけても、稲の太るが嬉しゅうてなりませぬ、はい、はい。」
と細いが聞くものの耳に響く、透る声で言いながら、どこをどうしたら笑えよう、辛き浮世の汐風に、冷く大理石になったような、その仏造った顔に、寂しげに莞爾笑った。鉄漿を含んだ歯が揃って、貝のように美しい。それとなお目についたは、顔の色の白いのに、その眠ったような繊い目の、紅の糸、と見るばかり、赤く線を引いていたのである。
「成程、はあ、いかにも、」
と言ったばかり、嫗の言は、この景に対するものをして、約半時の間、未来の秋を想像せしむるに余りあって、先生は手なる茶碗を下にも措かず、しばらく蘆を見て、やがてその穂の人の丈より