Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あくじゅうへん

悪獣篇

泉 鏡花

Leggi 悪獣篇 (あくじゅうへん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.715 caratteri · 73 schermate

Aozora Bunko

それをね、けだるそうに、ふらふらとふって、片々の人指ゆびで、こうね、左の耳を教えるでしょう。

聞えないと云うのかね、そんなら可うござんす。私は何だか一目見ると、厭な心持がしたんですからね、買わずと可いから、そのまま店を出ようと思うと、またそう行かなくなりましたわ。

弱るじゃありませんか、婆さんがね、けだるそうに腰を伸ばして、耳を、私の顔の傍へ横向けに差しつけたんです。

ぷんと臭ったの。何とも言えない、きなッくさいような、醤油の焦げるような、厭な臭よ。」

「や、そりゃ困りましたね。」と、これを聞いて少年も顰んだのである。

「早附木を下さい。

(はあ?)

(早附木よ、お婆さん。)

(はあ?)

はあッて云うきりなの。目を眠って、口を開けてさ、臭うでしょう。

(早附木、)ッて私は、まったくよ。銑さん、泣きたくなったの。

ただもう遁げ出したくッてね、そこいらすけれど、貴下の姿も見えなかったんですもの。

はあ、長い間よ。

それでもようよう聞えたと見えてね、口をむぐむぐとさして合点々々をしたから、また手間を取らないようにと、直ぐにね、銅貨を一つ渡してやると、しばらくして、早附木を一ダース。