Classici giapponesi con furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Leggi 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 151.280 caratteri · 301 schermate
小言を云いながら、でも辛抱強く、丹念に結び玉を解いて、やっと紐をはずすと、幾重にも重ねた新聞包を、ビクビクしながら開いて行った。
「ホーラごらん。やっぱり捨てたもんじゃないぜ。錫の小函だ。重い筈だよ。ウン、分った。この函は重しに使ったんだ。中のものが浮いたり流れたりしないように、こんな重い函の中へ入れて捨てたんだ。して見ると、この中には、ひょっとしたら、ラヴ・レターかなんか入っているのかも知れないぜ。こりゃ面白くなって来た」
「およしなさいよ。何だか気味が悪いわ。いやなものが入っているんじゃない? こんなにまでして捨てるくらいだから、よっぽど人に見られては困るものに違いないわ」
「だから、面白いというんだよ。マア、見ててごらん」
男はまるで爆弾でもいじるような風におどけながら、勿体らしく小函の蓋に手をかけ、ソロソロと開いて行った。
「ハンカチらしいね」
小函の中にはハンカチを丸めたようなものが入っていた。男は拇指と人差指で、ソッとそれの端をつまみ上げ、函の外へ取出した。
「ア、いけない。捨てておしまいなさい。血だわ。血がついているわ」
如何にもそのハンカチには、ドス黒い血のようなものがベットリと染み込んでいた。