Classici giapponesi con furigana
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あくまのかお
悪魔の顔
野村 胡堂
Leggi 悪魔の顔 (あくまのかお) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.677 caratteri · 29 schermate
「併し芦名兵三郎でない事だけは確かだよ」
「エ? 本当かえそれは」
「本当とも。芦名が犯人なら、いくら何んでも自分を陥れる為にあんなに沢山証拠を揃えないよ。亜砒酸なんて馬鹿な毒薬を使ったり、自分の短刀で人を刺して、それを現場へ残して来たり、簡単な現場不在証明も作らなかったり」
「…………」
「だから、今朝僕が証明して釈放してやったよ」
「で、これから何うする積りなんだ」
「網を作って居るところだよ、大きい大きい網だ。僕が斯うして歩いたところが、呪文の網になるんだよ、分らないかね。ハッハッハハハ」
「…………」
全く何を言い出すかわかりません。千種は呆気にとられて、花房の顔を眺めていました。
「君にだけソッと言って置くが――、今晩何んとかうまく話をつけて、爺やの室へ泊めて貰い給え、面白い芝居が見られるよ」
「犯人が捕るのか」
「まアね、但し人に言ってはいかんよ、誰にも言ってはいけない、夫人にも、美保子さんにも、庄平君にも」
「…………」
千種十次郎の胸は期待に高鳴ります。
「わかったか、一度左様ならをして外へ出るんだ、そして、ホラ、此穴からそっと入るんだ」
花房一郎は足の先でソッと生垣の穴を指します。