Classici giapponesi con furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Leggi 愛のごとく (あいのごとく) di 山川 方夫 (やまかわまさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 103.908 caratteri · 210 schermate
「なまけものは私よ」と女はいった。「私の夢はね、ポンポンポン、ってはしる漁師の船があるでしょ? あの船に乗って沖へ出て、そこで太陽の光を浴びながら海の上で睡ることなの」
「そりゃいいなあ」私は心から同感した。「たしかにそいつは最高だよ。いっしょに沖で寝よう」
「いっしょに?」おどろいたように女はいい、私の肩から首をはなした。
「でもね、私って、ヒステリイよ」
女は石を拾うと、池ではなく、斜めうしろの松の幹にそれを投げた。当らなかった。
「女はみんなヒステリイさ。そして男はみんな狂人だ。おれはヒステリイの女と、狂人の男しか、信用しないんだよ」
と私はいった。
そのとき私は女に、ある友情に似たものを感じていたのだ、と思う。彼女もやはり家族たちと同じ「女」であり、そのことは私は忘れなかったが、だが、ここに流れている私たちの日常、それはそんなに重たくも、悪い気分のものでもなかったのだ。
女は明るい灰色のハイ・ウエストの上着のツーピースを着ていた。でも、人妻というより、どこか女子大生のように見えた。小柄なのと、簡単にまとめただけのその髪型のせいだったかもしれない。