Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Leggi 愛のごとく (あいのごとく) di 山川 方夫 (やまかわまさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 103.908 caratteri · 210 schermate

Aozora Bunko

小柄な真理子は人びとの肩の下に埋もれたまま、甲高くいいつづけた。「あのひとの、どこがいけないのさ」

私も負けじと吊皮で身をよじりながらこたえた。「ぜんぶだ。呼吸がつまるんだよ」

「悪党、うそつき、ばか」

真理子の顔は見えなかった。私はたぶんそのあたりらしい見当に大声でどなった。「おれは気がちっちゃいんだ、いいかげんにしてくれ、とにかくおれはおれが大切なんだ」

中野駅で電車から吐き出されると、真理子は真赤な顔で呼吸をきらしながら、やにわに私の肱をつかんだ。彼女は詰問した。「四年間もさ、つきあってきててさ、なにさ、なにをいまさらわかったことがあんのよ。あんた卑怯よ。それに、理由らしい理由なんかないじゃないの。あんたなにさ」

「あいつは、素直すぎるんだよ。それが四年だ、なんでもおれのいうとおりだ」

「それがどこが悪いの?」

「おれには重たいんだ」私は自分の悲鳴のような声がわかった。「結局、おれがあいつの思いのままになっているみたいなんだ、やりきれないんだ、おれは。おれは溺れかけているみたいな気持ちだ。あいつには非難めいたことはいっていない。おれの問題なんだ、問題は」