Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばしゃ

愛の挨拶・馬車・純粋小説論

横光 利一

Leggi 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.699 caratteri · 78 schermate

Aozora Bunko

のように暗記していてべらべらと饒舌るものや、湯につかっているときに突然畜類のような長い舌を出して顎をぺろりと舐め廻すものや、そうかと思うと人を見ると必ず枕のことばかり話し出して、枕は一日のうちの三分の一時間は頭へ昇る血を首の所で停める作用をするものだから、枕の柔軟硬度に気をつけなければ頭の病気も癒るものではないと得意気にいう天理教信者らしいものや、横見を決してしたことのない女や、ときどき湯の中で奇声を発すると、急にびりびりと慄え出してとまらぬ舞踏病患者などがあって、まるであたり一面の歯朶の山野は狂人の放し飼いをしてある牧場みたいなものであった。由良は初めのうちは、人々と一緒にじっと湯の中で水面から顔だけ上げて、じろじろ黙ったまま見合っているのは何となく無気味に感じられた。皆それぞれどこか頭に怪しいものを潜ませているのだから、静にじっとしていても、いつ何ん時どのような発作を起して飛びかかって来ないものとも限らないのだから、考えればむしろそれほど恐ろしいことはなかった。しかし、そんなことさえ考えなければ、真上は空で雲の流れも樹を渡る風足も直ぐ肌に感じられるのだ。