Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あいけいでん

愛卿伝

田中 貢太郎

Leggi 愛卿伝 (あいけいでん) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6745 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

」

「お母様は、罪のない体でしたから、もう人間に生れかえっております」

「お前は、何故、いつまでもそうしておる」

「私は、私の貞烈のために、無錫の宋という家へ、男の子となって生れることになっておりますが、あなたに情縁が重うございますから、一度あなたにお眼にかかるまで、生れ出る月を延ばしております、が、もうお眼にかかりましたから、明日は往って生れます、もしあなたがこれまでの情誼をお忘れにならなければ、一度宋家へ往って、私を御覧になってくださいまし、笑ってその験をお眼にかけます」

趙と愛卿の霊は、手を取りあって寝室へ往って歓会したが、楽しみは生前とすこしも変らなかった。

鶏の声が聞えた。

「私は、帰らなくてはなりません、これでお別れいたします」

愛卿の霊は泣きながら榻をおりた。趙も後から送って出た。

愛卿の霊は階をおりて三足ばかり往ったが、ふと涙に濡れている顔を此方へ見せた。

「これでいよいよお別れいたします、どうかお大事に」

趙も胸がいっぱいになって言おうと思うことが口に出なかった。

暁の光がうっすらと見えた。と、愛卿の霊は燈の消えるように見えなくなった。室の方を見ると有明の燈の光が消えかかっていた。