Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Leggi 我が家の楽園 (わがやのらくえん) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 90.195 caratteri · 175 schermate

Aozora Bunko

「申し訳ありませんが、まァ、そういうこッてす。それで、つかぬことを伺うようですが、あんなところへ豚をしめこんで、いったい、どうするつもりだったんです? 私の見たところでは、あの豚は、十日ぐらい、なにも食っちゃいないですよ」

「どうするという質問には、お答えができない。豚を飼ったこともなければ、飼おうと思ったこともないから」

「たしかな話でしょうな」

「たしかだろうとも。当人がそういっているんだから」

係長は、底意ある眼つきで石田氏の横顔をながめていたが、手ぬるいことでは駄目だと思ったのか、調子を変えて、ネチネチと絡みだした。

「崖端の垣根のところに、豚の毛がたくさん落ちているし、庭の隅に、豚を焼いたらしい石のカマドのようなものもある。ここで豚を飼って、密殺して食べていられたのとちがいますか」

「君もしつっこい男だね。なんのために、そうまでして、俺に豚を飼わせたいんだ?」

「失火の原因はつきとめたが、どこの豚だかわからないじゃ、事件のしめくくりがつきやしません。正直にいってくだされば、密殺のほうは、大目にみてあげます」

「そういうことなら、この事件は、永久にしめくくりがつかないだろうよ。