Classici giapponesi con furigana
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Leggi 我が家の楽園 (わがやのらくえん) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 90.195 caratteri · 175 schermate
麻布の家へ越した日、石田氏が自分の部屋に、ケチンと廊下をひとつ隔てた、対角線上の洋間をえらんだことと、次女の百々子が、石田氏の部屋へ火事を知らせに行ってドアを叩いたとき、約五分ほど、内部から応答がなかったというこの二つの事実が、放火の嫌疑を決定的なものにした。
その後、石田氏が五十雄君に語ったところによると、警察の訊問はすこぶるドラマチックなもので、調室にいた刑事の一人は、
「おめえは、まあ、こんな恰好もしたのだろう」
と、石田氏が燃えぐさを持って部屋の窓からぬけだし、胴蛇腹を伝って、ケチンの換気孔から天井裏へ這いこむところを、見ていたように演じてみせたということだったが、石田家の火災に関するかぎり、徹頭徹尾、警察側の誤解だったのである。
わが石田一家は、接収解除以来、『連合国の店子』の不始末のお蔭で、有形無形の被害を受けてきたが、この事件もまたそうであった。
火事のあった日の翌々日、焼跡のひきならしに来ていた鳶の一人が、
「恐っそろしく香ばしい匂いがするが、人間でも、焼け死んでいるんじゃねえのか」
といったので、騒ぎになった。
担当の警官が飛んできて、焼木杭を掻きのけ、燃え残った外側の落し戸を壊して地下室をのぞきこんでいたが、