Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Leggi 我が家の楽園 (わがやのらくえん) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 90.195 caratteri · 175 schermate

Aozora Bunko

石田氏は、係長と刑事をひき従えて、芝生のなかの道を家のほうへ歩きだした。五十雄君と百々子が、後からブラブラついて行った。

広廊に行くと、石田氏はそこに出ていた座布団をひきよせて自分だけ敷き、縁端に掛けて畏まっている係長と刑事を尻眼にかけて、悠然と煙草を喫いだした。

五十雄君と百々子が、三人のそばを通って部屋へ帰ろうとすると、係長がこんなことをいっているのが聞えた。

「いま当ってみたところでは、失火の直接の原因をつくったのは、どうやら豚だったような模様でして、そうだったら、あなたには、たいへんなご迷惑をおかけしたことになるので」

「豚とは、辛いところへ持ちこんだもんだね。無辜の動物に罪をきせることはない。放火犯人は、俺だって一向にかまわない」

面白くなりそうなので、部屋へ帰るのはやめ、五十雄君と二人で芝生に坐りこんで傍聴することにした。

「持ちこんだというわけではありません。確証がありますから」

「豚と話をしたのか」

「話などしません」

「そんなら、どうしてそんなことがわかるんだ?」

「取調中ですから、調査の内容を洩らすわけにはいきませんが、だいたい、そんなことだと思ってくださればいいんです」