Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あるおんな
或る女
有島 武郎
Leggi 或る女 (あるおんな) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 205.655 caratteri · 406 schermate
葉子は目ざす旅館が近づいたのを知った。その旅館というのは、倉地が色ざたでなくひいきにしていた芸者がある財産家に落籍されて開いた店だというので、倉地からあらかじめかけ合っておいたのだった。人力車がその店に近づくに従って葉子はその女将というのにふとした懸念を持ち始めた。未知の女同志が出あう前に感ずる一種の軽い敵愾心が葉子の心をしばらくは余の事柄から切り放した。葉子は車の中で衣紋を気にしたり、束髪の形を直したりした。
昔の煉瓦建てをそのまま改造したと思われる漆喰塗りの頑丈な、角地面の一構えに来て、煌々と明るい入り口の前に車夫が梶棒を降ろすと、そこにはもう二三人の女の人たちが走り出て待ち構えていた。葉子は裾前をかばいながら車から降りて、そこに立ちならんだ人たちの中からすぐ女将を見分ける事ができた。背たけが思いきって低く、顔形も整ってはいないが、三十女らしく分別の備わった、きかん気らしい、垢ぬけのした人がそれに違いないと思った。葉子は思い設けた以上の好意をすぐその人に対して持つ事ができたので、ことさら快い親しみを持ち前の愛嬌に添えながら、挨拶をしようとすると、その人は事もなげにそれをさえぎって、