Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あるおんな

或る女

有島 武郎

Leggi 或る女 (あるおんな) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 205.655 caratteri · 406 schermate

Aozora Bunko

わたし、決して伝染なぞを恐れはしません」

岡は倉地の手紙を読んではいないのに葉子は気がついた。迷惑といったのを病気の伝染と思い込んでいるらしい。そうじゃない。岡が倉地の犬でないとどうしていえよう。倉地が岡を通して愛子と慇懃を通わし合っていないとだれが断言できる。愛子は岡をたらし込むぐらいは平気でする娘だ。葉子は自分の愛子ぐらいの年ごろの時の自分の経験の一々が生き返ってその猜疑心をあおり立てるのに自分から苦しまねばならなかった。あの年ごろの時、思いさえすれば自分にはそれほどの事は手もなくしてのける事ができた。そして自分は愛子よりももっと無邪気な、おまけに快活な少女であり得た。寄ってたかって自分をだましにかかるのなら、自分にだってして見せる事がある。

「そんなにお考えならおいでくださるのはお勝手ですが、愛子をあなたにさし上げる事はできないんですからそれは御承知くださいましよ。ちゃんと申し上げておかないとあとになっていさくさが起こるのはいやですから……愛さんお前も聞いているだろうね」

そういって葉子は畳の上で貞世の胸にあてる湿布を縫っている愛子のほうにも振り向いた。