Classici giapponesi con furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Leggi 或る女 (あるおんな) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 205.655 caratteri · 406 schermate
顔色一つ変えないで元のままに親しみを込めて相手を見やりながら、胸の奥底の心持ちを伝えて来るその声は、不思議な力を電気のように感じて震えていた。
「それで結構。五十川のおばさんは始めからいやだいやだというわたしを無理に木村に添わせようとして置きながら、今になってわたしの口から一言の弁解も聞かずに、木村に離縁を勧めようという人なんですから、そりゃわたし恨みもします。腹も立てます。えゝ、わたしはそんな事をされて黙って引っ込んでいるような女じゃないつもりですわ。けれどもあなたは初手からわたしに疑いをお持ちになって、木村にもいろいろ御忠告なさった方ですもの、木村にどんな事をいっておやりになろうともわたしにはねっから不服はありませんことよ。……けれどもね、あなたが木村のいちばん大切な親友でいらっしゃると思えばこそ、わたしは人一倍あなたをたよりにしてきょうもわざわざこんな所まで御迷惑を願ったりして、……でもおかしいものね、木村はあなたも信じわたしも信じ、わたしは木村も信じあなたも信じ、あなたは木村は信ずるけれどもわたしを疑って……そ、まあ待って……疑ってはいらっしゃりません。