Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Leggi 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.554 caratteri · 228 schermate

Aozora Bunko

――」

「そうね。虫はおひるまでも啼くんだね。」

姉も階段にこしをかけた。

ふいとおしろいの匂いがした。いつも、おしろいなどつけない姉には珍らしいことだと思った。

「あたしね。またおよめにゆくかもしれないの。」

私はびっくりした。

「どこへゆくんです。」

「よく分らないんだけれど、お母さんがきめてしまったんだから、行かなければならないわ。」

「その人を知っているの。」

「知らない――。」

「知らないひとのとこへ行くなんておかしいなあ。いつか姉さんがもっていた手紙の人だろう。」

「いいえ。」

姉は赤い顔をした。そして急に声までが変った。

「あたし嫁きたくないんだけれど……。」

姉は黙って涙ぐんだ。気の弱い優柔な姉のことだから、きっと、母のいうところならどういう処へでもゆくにちがいない。そして私ひとりになってしまうのは何という寂しいことだろう。

「いやだったらお母さんに断ったらいいでしょう。いやだって――。」

「そんなことあたしには言えないの。どうでもいいわ。」

姉は投げるようにいう。

私は姉が可哀想になった。

「僕が言ってあげようか。姉さんは嫁くことがいやだって――。」

「そんなこと言っちゃいやよ。