Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あるおとこのしゅき

或る男の手記

豊島 与志雄

Leggi 或る男の手記 (あるおとこのしゅき) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.279 caratteri · 86 schermate

Aozora Bunko

木立には雀が鳴いていた。森を掠めてる清らかな朝日が、私には眩しかった。光子は足先を見つめながら歩いた。蒼い顔色をして、唇の端を軽く痙攣さし、時々病的な光が眼に現われてきた。池の縁に出た時、私は皮肉に微笑を浮べながら云った。

「これをも一度一周りしようか。」

「厭よ。」

「なぜ?」

「あなたのような……卑劣な人とは。」

私はむっとした。が突然、顔が真赤になるのを感じた。

「でも僕は……。」

「いや、いやよ。」と彼女は私の言葉を押っ被せた。「いろいろうまいことを云っても、やっぱりあなたには、愛も何もないんだわ。」

「じゃあなぜ、昨日は、僕にあんな話をしたんだい? そして……。」

「そして……何なの?」

彼女は病的に光る眼で私の方をじろりと見たが、ふいに真蒼になった。

「もうお互にはっきりしておこうじゃないか、何もかも万事を。」

「ええ、私はもう何もかもはっきり分ったわ。」

「そんなら、僕のこともよく分ってくれてるんだね。」

「分ってるわ、あなたがそんな人っていうことは。」

「またお前は……。」

「それから、自分がこんな女ってことも分ってるわ。だから私あなたを有難く思ってるのよ。