Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
せんそうについて
戦争について
黒島 伝治
Leggi 戦争について (せんそうについて) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1403 caratteri · 3 schermate
始めは、そういうのを見ても何ともない。ところが、一度、日本人が彼等に殺されたのを目撃すると非常な敵愾心が湧き上って来る。子供の時からつめこまれた愛国心とかいうものがまだどっかに残っているのかな。何故、吾々がシベリアへよこされて、三年兵になるまでお国のために奉公して、露西亜人と殺し合いをしなければならないか。その根本の理由はよく分っている。吾々が誰れかの手先に使われて、馬鹿を見ていることはよく分っている。露西亜人に恨がある訳ではない。そういうことはよく分っているつもりだのに、日本人がやられたのを見ると、敵愾心が起って来るのをどうすることも出来ない。
人を殺すことはなか/\出来るものではない。身体の芯から慄えてきて、着剣している銃を持った手がしびれて力が抜けてしまう。そしてその時の情景が、頭の中に焼きつけられて、二三日間、黒い、他人に見えない大きな袋をかむりたいような気がする。しかし、それも、最初の一回、それから、二人目くらいまでである。戦闘の気分と、その間の殺気立った空気とは、兵卒を酔わして半ば無意識状態にさせる。そこで、彼等は人を殺すことが平気になり、平素持っていそうもない力が出てくる。