Classici giapponesi con furigana
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せんじりょこうかばん
戦時旅行鞄
海野 十三
Leggi 戦時旅行鞄 (せんじりょこうかばん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.792 caratteri · 22 schermate
「たった三百三十二名」
「そうです。すなわち、もう一度引き算をいたしまして、三千三百三十三名から引くの三百三十二名は三千一名と答が出来まして、この三千一名なる人間が、奇怪にもあの某国大使館に入ったきり、出ても参らず、館内に生活もして居らずという無理数的存在なんです。ですからお客さんも、その無理数の中にお加わりになりませんようにと御注意申上げますような次第で、へい」
「いや、よく分りましたわい。しかしわが金博士に限って、心配は無用でござる。では、さらばさらば」
と、金博士は事務長に挨拶すると、舷をまたいで、傾斜した船側の上を滑り台のように滑って、どさりと百花咲き乱れる花壇の真中に、トランク諸共尻餅をついたのであった。
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なにがさて、気の短い金博士のことであるから、身の危険も、相手方の思惑も考えないで、その足でつかつかと某国大使館の玄関から押し入ったものである。
「大先生は居られぬか。王水険大先生のお部屋はどこであるか。只今金博士が推参いたしましたぞ」
とうとう王水険大先生が朝寝坊の居間が、金博士自らの捜索によって発見せられた。
「やややや、お前は金か。