Classici giapponesi con furigana
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せんわ
戦話
岩野 泡鳴
Leggi 戦話 (せんわ) di 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.520 caratteri · 21 schermate
んわが身が一夜をその害からのがれたんは、まだ死をいそぐんではなかろて、勇気――これが僕にはほんまの勇気やろ――を出して後方にさがった。独立家屋のあたりには、衛生隊が死傷者を収容する様子は見えなんだ。進んだ時も夢中であったんやが、さがる時も一生懸命――敵に見付かったらという怖さに、たッた独りぽッちの背中に各種の大砲小銃が四方八方からねらいを向けとる様な気がして、ひどう神経過敏になった耳元で、僕の手足が這うとる音がした。のぼせ切っておったんや。刈り取られた黍畑や赤はげの小山を超えて、およそ二千メートル後方の仮繃帯場へついた時は、ほッと一息したまま、また正気を失てしもた。そこからまた一千メートル程のとこに第○師団第二野戦病院があって、そこへ転送され、二十四日には長嶺子定立病院にあった。その間に僕の左の腕が無うなっとった。寝台の上に仰向けになったまま、『おや腕が』と気付いたんやが、その時第一に僕の目に見えたんは大石軍曹の姿であった。この人をしかった上官にも見せてやりたかったんやが、『その場にのぞんで見て貰いましょ』と僕の心を威嚇して急に戦争の修羅場が浮んできた。