Classici giapponesi con furigana
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げさくざんまい
戯作三昧
Leggi 戯作三昧 (げさくざんまい) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.807 caratteri · 42 schermate
霧の下りた海の上には、赤い三日月が陰々と空にかかっている。すると……
彼の空想は、ここまで来て、急に破られた。同じ柘榴口の中で、誰か彼の読本の批評をしているのが、ふと彼の耳へはいったからである。しかも、それは声といい、話しようといい、ことさら彼に聞かせようとして、しゃべり立てているらしい。馬琴はいったん風呂を出ようとしたが、やめて、じっとその批評を聞き澄ました。
「曲亭先生の、著作堂主人のと、大きなことを言ったって、馬琴なんぞの書くものは、みんなありゃ焼き直しでげす。早い話が八犬伝は、手もなく水滸伝の引き写しじゃげえせんか。が、そりゃまあ大目に見ても、いい筋がありやす。なにしろ先が唐の物でげしょう。そこで、まずそれを読んだというだけでも、一手柄さ。ところがそこへまたずぶ京伝の二番煎じと来ちゃ、呆れ返って腹も立ちやせん。」
馬琴はかすむ眼で、この悪口を言っている男の方を透して見た。湯気にさえぎられて、はっきりと見えないが、どうもさっき側にいた眇の小銀杏ででもあるらしい。そうとすればこの男は、さっき平吉が八犬伝を褒めたのに業を煮やして、わざと馬琴に当りちらしているのであろう。