Classici giapponesi con furigana
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げさくざんまい
戯作三昧
Leggi 戯作三昧 (げさくざんまい) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.807 caratteri · 42 schermate
」
「それは手前、困却いたしますな。」
と言ったが、今度は突然、当時の作者仲間のことを話し出した。やっぱり細い銀の煙管を、うすい唇の間にくわえながら。
八
「また種彦の何か新版物が、出るそうでございますな。いずれ優美第一の、哀れっぽいものでございましょう。あの仁の書くものは、種彦でなくては書けないというところがあるようで。」
市兵衛は、どういう気か、すべて作者の名前を呼びすてにする習慣がある。馬琴はそれを聞くたびに、自分もまた蔭では「馬琴が」と言われることだろうと思った。この軽薄な、作者を自家の職人だと心得ている男の口から、呼びすてにされてまでも、原稿を書いてやる必要がどこにある?――癇のたかぶった時々には、こう思って腹を立てたことも、稀ではない。今日も彼は種彦という名を耳にすると、苦い顔をいよいよ苦くせずにはいられなかった。が、市兵衛には、少しもそんなことは気にならないらしい。
「それから手前どもでも、春水を出そうかと存じております。先生はお嫌いでございますが、やはり俗物にはあの辺が向きますようでございますな。」
「ははあ、さようかね。」
馬琴の記憶には、いつか見かけたことのある春水の顔が、卑しく誇張されて浮んで来た。