Classici giapponesi con furigana
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げさくざんまい
戯作三昧
Leggi 戯作三昧 (げさくざんまい) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.807 caratteri · 42 schermate
「自分はさっきまで、本朝に比倫を絶した大作を書くつもりでいた。が、それもやはり事によると、人なみに己惚れの一つだったかも知れない。」
こういう不安は、彼の上に、何よりも堪えがたい、落莫たる孤独の情をもたらした。彼は彼の尊敬する和漢の天才の前には、常に謙遜であることを忘れるものではない。が、それだけにまた、同時代の屑々たる作者輩に対しては、傲慢であるとともにあくまでも不遜である。その彼が、結局自分も彼らと同じ能力の所有者だったということを、そうしてさらに厭うべき遼東の豕だったということは、どうしてやすやすと認められよう。しかも彼の強大な「我」は「悟り」と「諦め」とに避難するにはあまりに情熱に溢れている。
彼は机の前に身を横たえたまま、親船の沈むのを見る、難破した船長の眼で、失敗した原稿を眺めながら、静かに絶望の威力と戦いつづけた。もしこの時、彼の後ろの襖が、けたたましく開け放されなかったら、そうして「お祖父様ただいま。」という声とともに、柔らかい小さな手が、彼の頸へ抱きつかなかったら、彼はおそらくこの憂欝な気分の中に、いつまでも鎖されていたことであろう。