Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とびらのかなたへ

扉の彼方へ

岡本 かの子

Leggi 扉の彼方へ (とびらのかなたへ) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8155 caratteri · 17 schermate

Aozora Bunko

私はその方面に暗い女のことですからよくも判りませんが、その銀行は組織は無限責任の代りに出資者の利益は多い筈なのだそうです。

それが見込み違いとなって、銀行はあやしくなり出して仕舞ったものですから、母は珪次を憎み出しました。

「あんな無責任な男はない」

珪次にいわせると「そう性急に利益を挙げようたって無理だ」

とにかく、私の行く手は遮られました。私は母に内密でそっと珪次に相談すると、

「関わないから、家を出てしまい給え。二人とも命がけならどんな事だって出来る」

こう云った珪次と二人で思い切って借りて住んだアパートの生活も、始めは面白く行きましたが、すぐ珪次は飽きて来ました。

「やっぱり幸福には金は附きものだな。何とかして来よう」

明るく気が利いて美貌の青年はどこの知合いへ行っても、おいしいものやお酒にはありつけます。しかし、お金を貸して呉れるほどの親身な知合いはありません。

夜おそくドアを叩いて、ほろ酔い機嫌をわざと渋い表情で押えながら、

「きょうは留守の家ばかりにぶつかってね。あしたはきっと何とかなるよ」

それから世間で聞いて来た面白い話や、とても景気のいい私たちの未来の空想話をして、床に入ると思うと、いい気持ちそうに直ぐに鼾をかきました。