Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とびらはかたらず

扉は語らず

小舟 勝二

Leggi 扉は語らず (とびらはかたらず) di 小舟 勝二 (こぶねかつじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4481 caratteri · 9 schermate

Aozora Bunko

これは君、何の不思議もない出来事さ。舗道を歩いたら靴の底が減ったと云うようなものだ。………扉を開けたら一人の男が死んだ………殺したんじゃない死んだんだ。それは僕の責任じゃあない……」

――都市美術社の若い装飾工の墜死は、墜死者自身の不注意に基因する! というのが居合せたすべての人々の到達した結論だ。彼が墜ちたのは二本の丸太の衝撃を避けようと試みたことにある。何故装飾用材は自然的に倒れたのであるか? 彼の立て方に何らかの不注意があったのだ。若い未熟な技工の間にはしばしば起ることだ。敢えて珍らしくはない。又それ以外に想像は許されない。生憎彼の近くには誰もいなかったのだ。その丸太が家具部倉庫の扉のあたりに立てられてあったことは、倒れた位置で推察された。

だが、それで終りだ。

誰が――全く、誰が錠の下りた倉庫の扉に就いて疑がうことが出来るだろう! さて、私は、この物語に大そう古風な標題をつけた――

「扉は語らず」

(一九三〇年四月号)