Classici giapponesi con furigana
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ごうもんのはなし
拷問の話
岡本 綺堂
Leggi 拷問の話 (ごうもんのはなし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8111 caratteri · 16 schermate
そのあいだに、打役は「申立てろ、白状しろ」と絶えず責め問うのであるが、相手があくまでも口を閉じている以上、そのままにして中止するの外はない。吉五郎はこれだけの笞打をうけた後に、更に石を抱かされたのである。石抱きは十露盤板と称する三角形の板をならべた台のうえに罪人を坐らせて、その膝のうえに石の板を積むので、石は伊豆石にかぎられ、長さ三尺、厚さ三寸、目方は一枚十三貫である。吉五郎はその石五枚を積まれたが、やはり強情に黙っていた。
元来、徳川時代の拷問はいかなる罪人に対しても行うことを許されていない。それは死罪以上に相当すると認められた罪人にのみ限られている。即ち所詮は殺すべき罪人に対してのみ拷問を行うことを許されているのであるから、拷問の際にあやまって責め殺しても差支えないことになっているが、その罪状の決定しないうちに本人を殺してしまうことは努めて避けなければならない。前にもいう通り、拷問を加えるということが已に係り役人の不面目であるのに、更に未決のうちに責め殺してしまったとあっては、いよいよ彼らの不名誉をかさねる道理であるから、かれらは一面に惨酷の拷問を加えていながらに、一面には罪人を殺すまいと思っている。