Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
Leggi 播州平野 (ばんしゅうへいや) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.683 caratteri · 214 schermate
その男は、すぐ落ちているものに目をとめた。立ちどまって、それを眺めた。それから、かがんで尻尾をもって魚をひろい上げ、やや離れたところに立っているひろ子に曖昧な笑い顔を向けた。
「活がよさそうだもの。持っていらっしゃれば……」
ひろ子が笑いながらそういうと、背広の男は、黙ったままもっと高く手をあげて、魚を見た。そして、遂に決心したように、その思いがけないひろいものを下げて行った。その男よりも先にはんてん着ではだしの爺さんが一人通った。魚は、もうそこに落ちていただろう。爺さんの眼ではそれが見えなかったのだろうか。ともかく、それを発見し、ひろ子の同意をもとめて臆病に笑ってひろって行ったのは、背広を着て、夏帽子をかぶり、書類鞄をかかえた男であった。
門口に、縫子が出ていた。ひろ子が見たのを待ちかねて、手招きをした。いそいで手招きした。
「なんなの」
「――はよ、おいでませ」
十四
いぶかしそうに入るひろ子の背をかかえるようにして、縫子は上り端まで一緒に来た。そこの畳の上に新聞がおいてあった。縫子は、それをひろげ、
「どうであります!」
一つの記事を指さした。