Classici giapponesi con furigana
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ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
Leggi 播州平野 (ばんしゅうへいや) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.683 caratteri · 214 schermate
「案外いいですよ、さっぱりして」
支店長は、うたがわしそうに小コップをとりあげ、日本酒ののみかたで、チビリと流し込んだ。
「何や……こう……えろうカーッとしますなあ」
「そうですか、馴れるといいもんだがな」
一方は、ブランデーをのむように、パッと口の中へあけるようにのんだ。
「――奥さんいかがです」
「私は無調法なんです、本当に駄目」
新しい道づれは、名を云えば大抵のものは知っているらしい大阪のキャバレーの持ち主であった。ひろ子は、文楽以外に大阪をよく知らず、そのキャバレーがどんなに大規模なのかも知らなかった。慶大かどこかを出たその男は、惰勢とか卑俗とかいう字句をつかって自分の商売を客観的に、時には自嘲的に語りながら、やはりとことんのところではそれにひかれ、そういう面での敏腕をたのしんでもいるらしかった。
表の三畳間に、一人永逗留の女客がいた。ひろ子は、そのひとの布団に入れて貰って、朝まで熟睡した。
部屋へ帰って見て、ひろ子は思わず笑い出した。
一枚のきたない掛布団をしき、二人の男が、行儀よく並んで仰向いて、パチパチ天井を見ている。上に一枚かかっているのも薄い掛布団だが、それは二人にかかるように横にしてあった。