Classici giapponesi con furigana
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Leggi 支倉事件 (はせくらじけん) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 204.697 caratteri · 406 schermate
それに、逃げ廻るさえあるのに、その間にした貴様の所業の数々は誰が見ても貴様は悪人とよりは思えぬ。その上、聖書の窃盗、放火、暴行傷害など歴然たる証拠が上っている。貴様は一番罪の重い殺人罪から逃れたいのだろうが、之も動きの取れない被害者の屍体の出た今日、どう云い開こうとしても詮ない事だ。貴様は何故この分り切った犯罪を一時も早く白状して、お上の慈悲を仰ごうとせぬのだ。貴様はどうあっても、この髑髏に覚えがないと云うのかっ」
先刻からの続けざまの訊問に興奮して来た支倉は、独特の大きな濁声で叫んだ。
「知らぬ、知らぬ、何と云われても知らぬ」
「知らぬ事があるものかっ」
渡辺刑事は怒号した。
「之は貴様の可愛がった女の髑髏だ。さあよく見ろ」
渡辺刑事は髑髏をピタリと支倉の顔に押しつけた。
支倉が何事か叫ぼうとすると、部屋の入口がガラリと開いて、ぬっと這入って来た人がある。
それは庄司署長だった。
署長は柔道で鍛え上げたガッシリとした長身をノッシ/\と運びながら、喜怒哀楽を色に現わさないと云う不得要領なボーッとした風で、何気なく刑事達に声をかけた。
「おい、どうしたい。