Classici giapponesi con furigana
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Leggi 支倉事件 (はせくらじけん) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 204.697 caratteri · 406 schermate
ついては彼を満洲に逃がしたいから見逃して呉れと必死になって頼み込んだ。
無論庄司氏は首を振った。
「馬鹿な」
後に庄司氏は人に語った。
「酔っ払いの放免と人殺しとを一緒にするちゅう奴があるものか、ハヽヽヽ」
神戸牧師にしてもその通りだろうと思われる。人を殺人罪に陥れるのと、母校を同じゅうしただけの友人を庇護するのとは同日に論じられないではないか。
裁判長の、被告は暴行を加えた事を申し述べたかどうかと云う問に対して、いずれも息を凝らして返辞を待ったが、神戸牧師はやおら口を切ってきっぱりと云った。
「その事は申上げられません」
意外な返事である。満廷どよめき渡った。
公判廷に於て証人が証言を堂々と拒絶するとは未だ聞かざる所である。
神戸牧師の言葉に意外の感を起した宮木裁判長は直ちに荘重な声を一段大きくして云った。
「それはどう云う理由であるか」
神戸牧師は臆する色なく答えた。
「支倉は私を牧師と見込んで、彼の秘密を打明けたのです。即ち彼は自白したのではなく、懺悔をしたのです。神に対して告白する所を私を仲介者に置いたのに過ぎないのです。私は神に向って懺悔せられた人の罪を、軽々しく公の席で申し述べる事は出来ませぬ」