Classici giapponesi con furigana
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しなまいのふくろ
支那米の袋
夢野 久作
Leggi 支那米の袋 (しなまいのふくろ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.357 caratteri · 50 schermate
おしまいにはヤングがよくポケットに入れて持って来る英字新聞が、すこうしずつ読めるようになったから豪いでしょう。自分の国の字だと聖書もロクに読めないのによ。ホホホホホホホ。だって妾の両親はトテモ貧乏で、妾を学校に遣る事が出来なかったんですもの……お化粧の道具なんかも、両親から買ってもらった事は一度も無かったのよ。だけどこの時ばかりは学者の奥さんになるのだからと思って、ずっと前から欲しくてたまらなかった型の小さい、上品なのを別に買って、バスケットの底に仕舞っておいたわ。ええ。それあ嬉しかったわよ。だってどうせ両親に売り飛ばされて、こんな酒場の踊り子になっている身の上ですもの……おまけに生れて初めて妾を可愛がってくれて、色んな楽しみを教えてくれたのが、そのヤングなんですもの……その頃の妾は今みたいな、オシャベリの女じゃなかってよ。どんな男を見ても怖ろしくて気味がわるくて、思うように口も利けない中に、たった一人そのヤングだけが怖くなかったんですもの……アラ……御免なさいね。泪なんか出して……妾……男の方の前で、こんな事を云って泣くのは今夜が初めてよ。ネ……笑わないでね。