Classici giapponesi con furigana
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かいていごじょうほう
改訂御定法
山本 周五郎
Leggi 改訂御定法 (かいていごじょうほう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.422 caratteri · 58 schermate
佳奈は黙っておじぎをした。
「よし」と直衛は頷いた、「月が変ったらすぐに祝言をしよう」
明くる朝、直衛はまだ寝ているところを河本宗兵衛に起こされた。彼が洗面をし、常着に着替えて出てゆくと、宗兵衛は坐っていたのを立ちあがり、すぐにまた坐った。灰色になった顔が硬ばり、手の置き場のないように、膝の上で重ねたり、拳を握ったりした。
「早いな」と直衛が云った、「ゆうべはおそくまで佳奈に済まなかった」
宗兵衛は首を振り、ちょっと吃りながら云った、「――矢堂玄蕃が切腹したぞ」
直衛は眼をそむけながら反問した、「うまくやったか」
「うまく――」と云いかけて宗兵衛は眼をみはった、「中所は知っていたのか」
「ほかに始末のつけようがあるか」
「それは、しかしそれならなぜ」と宗兵衛はせきこんで云った、「初めに詰腹を切らせようというのをどうして止めたんだ、裁きのあとで切腹することがわかっていたのなら、白洲で恥をさらすことはないではないか」
「人間の命ほど大事なものはない」直衛は言葉を選み出すような口ぶりで云った、「人間の命ほど大事なものはないが、その命は世の中ぜんたいのつながりと切りはなすことはできない、世間の道徳や秩序をふみにじって我欲をとおす者は、おのれでおのれの命を打ち砕くようなものだ、矢堂玄蕃はみずから自決の道をあるいた、おそかれ