Classici giapponesi con furigana
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こきょう
故郷
Leggi 故郷 (こきょう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.843 caratteri · 22 schermate
修治(私の本名)は、ちっとも変らぬ。少しふとってかえって若くなった、とみんなが言った。園子も、懸念していたほど人見知りはせず、誰にでも笑いかけていた。みんな控えの間の、火鉢のまわりに集って、ひそひそ小声で話をはじめて、少しずつ緊張もときほぐれて行った。
「こんどは、ゆっくりして行くんでしょう?」
「さあ、どうだか。去年の夏みたいに、やっぱり二、三時間で、おいとまするような事になるんじゃないかな。北さんのお話では、それがいいという事でした。僕は、なんでも、北さんの言うとおりにしようと思っているのですから。」
「でも、こんなにお母さんが悪いのに、見捨てて帰る事が出来ますか。」
「いずれ、それは、北さんと相談して、――」
「何もそんなに、北さんにこだわる事は無いでしょう。」
「そうもいかない。北さんには、僕は今まで、ずいぶん世話になっているんだから。」
「それは、まあ、そうでしょう。でも、北さんだって、まさか、――」
「いや、だから、北さんに相談してみるというのです。北さんの指図に従っていると間違いないのです。北さんは、まだ兄さんと二階で話をしているようですが、何か、ややこしい事でも起っているんじゃないでしょうか。