Classici giapponesi con furigana
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ぶんだんのすうせい
文壇の趨勢
Leggi 文壇の趨勢 (ぶんだんのすうせい) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3068 caratteri · 6 schermate
教育の程度、知識の範囲、その他いろいろの資格において、ほぼ似通っている。だから誰かれの差別はない。皆同じである。が同時に一方から見ると文明社会に住む人ほど個人主義なものはない。どこまでも我は我で通している。人の威圧やら束縛をけっして肯わない。信仰の点においても、趣味の点においても、あらゆる意見においても、かつて雷同附和の必要を認めない。また阿諛迎合の必要を認めない。してみるといわゆる文明社界に生息している人間ほど平等的なるものはなく、また個人的なるものはない。すでに平等的である以上は圏を画して圏内圏外の別を説く必要はない。英国の二大政党のごときは単に採決に便宜なる約束的の団隊と見傚して差支ない。またすでに個人的である以上はどこまでも自己の特色を自己の特色として保存する必要がある。
文壇の諸公をいわゆる文明社会に住む人と見傚せば、勢いこの性質を具していなければならない。人間としてこの性質を帯びている以上は作物の上にも早晩この性質を発揮するのが天下の趨勢である。いわゆる混戦時代が始まって、彼我相通じ、しかも彼我相守り、自己の特色を失わざると共に、同圏異圏の臭味を帯びざるようになった暁が、わが文壇の歴史に一段落を告げる時ではなかろうかと思います。