Classici giapponesi con furigana
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ぶんげいのてつがくてききそ
文芸の哲学的基礎
Leggi 文芸の哲学的基礎 (ぶんげいのてつがくてききそ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.519 caratteri · 98 schermate
便宜のために手と名づけ足と名づける意識現象と、痛い痒いと云う意識現象であります。要するに意識はある。また意識すると云う働きはある。これだけはたしかであります、これ以上は証明する事はできないが、これだけは証明する必要もないくらいに炳乎として争うべからざる事実であります。して見ると普通に私と称しているのは客観的に世の中に実在しているものではなくして、ただ意識の連続して行くものに便宜上私と云う名を与えたのであります。何が故に平地に風波を起して、余計な私と云うものを建立するのが便宜かと申すと、「私」と、一たび建立するとその裏には、「あなた方」と、私以外のものも建立する訳になりますから、物我の区別がこれでつきます。そこがいらざる葛藤で、また必要な便宜なのであります。
こう云うと、私は自分(普通に云う自分)の存在を否定するのみならず、かねてあなた方の存在をも否定する訳になって、かように大勢傍聴しておられるにもかかわらず、有れども無きがごとくではなはだ御気の毒の至りであります。御腹も御立ちになるでしょうが、根本的の議論なのだから、まず議論として御聴きを願いたい。