Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぶんげいはだんしいっしょうのじぎょうとするにたらざるか

文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎

夏目 漱石

Leggi 文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎 (ぶんげいはだんしいっしょうのじぎょうとするにたらざるか) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3093 caratteri · 6 schermate

Aozora Bunko

来るし、其他幾らでもある。又健康と云うことを標準として、身体に合ったものが好い職業であるとも言える。それならば労働者の方が文学者より偉い。最も危険に近いものが高尚な職業であると云う標準を立てるならば、軍人とか、探険家とか云うものが、一番偉くなる訳だ。或は、最も多い報酬を得る者が一番好い職業だと云う標準も立つ。然うすれば実業家が一番偉い職業になって了う。或は金以外評判と云うものが得られるのが一番好い職業だとも言われる。すれば芸人とか芸者とか、相撲取りとか云うものが一番好い職業である。其他其通りのことを列挙すれば幾らでも出て来る。際限の無い話である。従って文学は男子一生の事業とするに足るとか足らないとか云う問題も、要するに標準の立て方で、古今未曾有、無類飛び切り上等の職業ともなるし、天下最下等の愚劣な馬鹿気た職業となるかも知れない。だから標準の取り方で以て何うにでもなる。では貴方の標準は何所にあるかと、言われると大体の標準は定まって居るにした所で、時と場合に依って其標準が変り得る。例えば大晦日が来て金が一文も無く、最も痛切に金の入用を感ずる場合に、金の収入の少い文学者を職業として居れば、文学者ほど愚劣な職業はないと思うかも知れない。