Classici giapponesi con furigana
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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
Leggi 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 72.671 caratteri · 149 schermate
「一体あの学生はどこの人です。やはり東京から来たんですか。」
「そうです。」と、通信員はさらに説明した。「勿論ここへは別々に来たのですが、一方の女学生たちとは東京にいるときから知っていて、偶然にここで落ち合ったらしいのです。」
「では、前から知っているんですか。」と、僕も初めてうなずいた。
いくらいたずら好きの学生たちでも、さすがに見ず知らずの女達に対してあんな悪いたずらをする筈がない。前からの知合いと判って、僕もはじめて成る程と得心した。かれらのいたずらに対して、相手の方でも深くとがめなかった理由もそれで覚られた。
「学生の一人は遠山、ひとりは水島というのです。」と、通信員はまた教えてくれた。「どっちも同い年で、宿帳には二十二歳としるしてありました。二人とも徒歩で木曾街道を旅行して、それから名古屋へ出て、汽車で東京へ帰る予定だということです。唯それだけのことで、別に怪しい点もないのですが、かの女学生たちと前から知合いであるというので、警察の方でも取り調べ上の参考として必要な人間でもあり、もう一つはその晩に例の山椒の魚の一件があるので、かたがた引き留められているのですが、わたしの考えでは、あの学生たちは単に懇意という以上に、女学生と親密な関係があるのじゃないでしょうか。