Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たぬきもんどう
文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
鈴木 鼓村
Leggi 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会 (たぬきもんどう) di 鈴木 鼓村 (すずきこそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9992 caratteri · 21 schermate
後再び父なる人の御世話になるのは、しに行く我心にとって誠に心よくないから、実は妾にとっては何とも心もとないことだが時節なれば致方ないと諦めて過日は日頃愛玩の琴二面を人手に渡して、ここに金が六十円出来た、老いたる親に思いもよらぬ煩をかけて先だつ身さえ不幸なるに、死しての後までかかる御手数をかけるは、何とも心苦しいが、何卒この金を以て、妾の身は貴下の手から葬式をして一本の御回向を御頼み申ます。憶出せばこの琴はまだ妾が先生の塾に居った時分何時ぞや大阪に催された演奏会に、師の君につれられて行く時、父君が妾の初舞台の祝にと買い賜われたものだ、数千人の聴客を以て満たされた、公開堂の壇上、華かなる電燈の下で、満場の聴衆が喝采の内に弾きならしたはこの琴であります、またこの一面は過ぎし日妾が初めて、自宅にて教授をする時に妾の僅かなるたくわえにて購いしもので、二面共に妾にとっては忘る可らざる紀念の品である、のみならず、この苦しく悲しき長の月日のこの中外を慰めたのもこの品、仮令妾には数万金を積むとてかえがたき二品なれど、今の際なれば是非も一なく、惜しけれど、終に人手にわたす