Classici giapponesi con furigana
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ぶんちょう
文鳥
Leggi 文鳥 (ぶんちょう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.569 caratteri · 22 schermate
翌日文鳥がまた鳴かなくなった。留り木を下りて籠の底へ腹を圧しつけていた。胸の所が少し膨らんで、小さい毛が漣のように乱れて見えた。自分はこの朝、三重吉から例の件で某所まで来てくれと云う手紙を受取った。十時までにと云う依頼であるから、文鳥をそのままにしておいて出た。三重吉に逢って見ると例の件がいろいろ長くなって、いっしょに午飯を食う。いっしょに晩飯を食う。その上明日の会合まで約束して宅へ帰った。帰ったのは夜の九時頃である。文鳥の事はすっかり忘れていた。疲れたから、すぐ床へ這入って寝てしまった。
翌日眼が覚めるや否や、すぐ例の件を思いだした。いくら当人が承知だって、そんな所へ嫁にやるのは行末よくあるまい、まだ子供だからどこへでも行けと云われる所へ行く気になるんだろう。いったん行けばむやみに出られるものじゃない。世の中には満足しながら不幸に陥って行く者がたくさんある。などと考えて楊枝を使って、朝飯を済ましてまた例の件を片づけに出掛けて行った。
帰ったのは午後三時頃である。玄関へ外套を懸けて廊下伝いに書斎へ這入るつもりで例の縁側へ出て見ると、鳥籠が箱の上に出してあった。