Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
となんせんせい
斗南先生
Leggi 斗南先生 (となんせんせい) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.262 caratteri · 44 schermate
それに荷物はもう、先へ向けて送ってあるのだと伯父はいっていた。しばらく、そのことを話している中に、伯父は、三造の右の眼の縁に残っている傷痕をみつけて、やっと彼の怪我のことを思い出したらしく、その工合をたずねた。と、それに対する彼の答をろくに聞きもしないで、「これから床屋へ行って来る。今、道で見てきたから場所は分っている。」と言い出した。見るとなるほど、髯が――みんな白が黄に染まっているのだが――ひどく伸びている。頭髪はそれほど薄くはなく、殊に両耳の上のあたりはかなり長く伸びて乱れている。長寿の印しといわれる、長くぴんと突き出た眉の下に、大きい眼がくぼんでいる。三造はその眼を前から美しいと思っていた。この伯父と、それから、そのすぐ下の伯父――その牛若丸のような髪を結った隠者のようなお髯の伯父と、この二人の老人の眼は、それぞれに違った趣をもってはいるが、共に童貞にだけしか見られない浄らかさを持って、いつも美しく澄んでいるのである。一つは、いつも実現されない夢を見ている人間の眼で、それからもう一つは、すっかりおちつき切って自然の一部になってしまったような人間の眼である。