Classici giapponesi con furigana
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
Leggi 斬られたさに (きられたさに) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.352 caratteri · 41 schermate
その中に解かる折もあろうけに……とにも角にもその見付の宿の主人サゴヤ佐五郎とかいう老人は中々の心掛の者じゃ。年の功ばかりではない。仇討免状の事を貴殿に尋ねたところなぞは正に、鬼神を驚かす眼識じゃわい」
「……と……仰せられますると……」
若い平馬の胸が口惜しさで一パイになって来た。それを色に出すまいとして、思わず唇を噛んだ。
「アハハハ。まあそう急がずと考えて見さっしゃれ。アッサリ云うてはお手前の修行にならぬ。……もっともここの修行が出来上れば当流の皆伝を取らするがのう……」
「……エッ。あの……皆伝を……」
「ハハハ。今の門下で皆伝を許いた者はまだ一人もない。その仔細が解かったかの……」
平馬は締木にかけられたように固くなってしまった。まだ何が何やらわからない慚愧、後悔の冷汗が全身に流るるのを、どうする事も出来ないままうなだれた。
「……平馬殿……」
「……ハッ……」
「貴殿の御縁辺の話は、まだ決定っておらぬげなが、程よいお話でも御座るかの……」
平馬は忽ち別の意味で真赤になった。……自分の周囲に縁談が殺到している……「娘一人に婿八人」とは正反対の目に会わされている……という事実を、今更のようにハッキリと思い出させられたからであった。