Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 187.841 caratteri · 376 schermate

Aozora Bunko

「そのためか。……火の手も煙も見えなんだが」

「もし、一の曲輪に、火の手が揚ったら、三の曲輪の人数が、直ちに城門をひらいて加勢に出よう。――加勢はやむを得ないとしても、大殿の御最期と共に、あなた様以下、奥方さま、和子さま達までも、火をはなって、炎のなかに御自害なさりはせぬか――それを敵は、いたく怖れての作戦かと考えられまする」

休太郎の気息は、そこまでが、いっぱいであった。突然、大地に爪を立ててもう一声、

「お、おわかれ申しあげます」

と、いったのが終りで、がくんと、手をついたまま地面へ顔をぶつけた。斬り死にしての戦死よりも多くの苦闘に剋って死んだ。

「……一魂、また逝く、ああ壮烈な散る華ではある」

誰か、長政のうしろで、つぶやく人があった。そう嘆じて、また低く、

「――なむあみだぶつ」

数珠の音がした。

ふりむくと、木ノ本の雄山和尚が、そこに佇んでいた。彼の浄信寺というのが先頃の兵燹に会ったため、小谷の城中へ来て共に籠城していた。

「……大殿も今朝がたはや御最期あらせられたそうな、お察しもうしあげる」

雄山がいうと、

「和尚。おたのみがあるが」

長政はわりあいに乱れずに云った。