Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 197.228 caratteri · 394 schermate
何と、やすいことであろうが」
「…………」
強右衛門は、うな垂れていたが、やがて神妙に答えた。
「かしこまりました。てまえの身を、お城近くまで、お運び下さるなれば、仰せの通り城中へ申し告げまする」
「むむ。こよいのうちに、いま勝頼の教えたことばを、よく暗誦じておくがよい。――もし、云い損ねなどした場合は、そのまま、十文字磔にいたすから左様心得ろ。宇宙一瞬の声が、生涯のわかれ目であるぞ。心して申せよ」
「はい。はい」
あくまで彼は素直だった。敵を計る囮には用いても、勝頼にしてさえひそかに、愛すべき男――と真実思った。
その強右衛門の身は、翌朝まで穴山梅雪の手へ預けられた。梅雪は責任の重大を感じたとみえて、部下と共に、自身も彼の縄尻を守って行った。
夜半ごろ一しきり、驟雨があった。勝頼は上機嫌で、具足をつけたまま仮寝に就く。――明けやすい夏の夜を滝川の水音ばかり高かった。
夜が明けると、強右衛門はすぐ呼び出された。
穴山梅雪はまだ眠たげな瞼をしていた。重大な囚人を主君から預けられたので、ゆうべはよく眠り得なかったらしい。
で彼は、強右衛門を見るとすぐ訊ねた。