Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 197.228 caratteri · 394 schermate
今は是非なしと、お覚悟のおしたくを」
と、訴えた。
「否とよ、鹿之介」
勝久は、顔を振った。
「事、ここにいたったのも、決してそちたちが微力のせいではない。さりとて、織田殿を恨もうとも思わぬ。約束事じゃ。……むしろ勝久には、そちたちの忠勤にはげまされて、今日、武門の端に、大将たる名を辱めて来たよろこびの方が遥かに大きい。……毛利のため、一たび滅ぼされた尼子家を、一時でも興したのは、そちたちの義心によるもの。この勝久とて、一度は出家して、まったく世から葬られていたのを、そちのため、家名再興の志を立て、尠なくも今日まで、何十度の合戦に、怨敵毛利家をなやまし苦しめて来たことは事実だった。……たとえ今、敗るるとも、なに、惜しかろう。男子として、やる限りはやったと思う。――以て、みずから瞑すことができる」
七月三日の暁け方、勝久は、いさぎよく切腹を遂げた。
時、その人は、わずかに二十六歳であったという。
毛利氏と尼子氏との宿怨は、大永三年、尼子経久と毛利元就との手切れ以来であるから――その間の興亡流血は、ことし天正六年まで、実に五十六年間にわたる悲壮な闘争をつづけて来たわけである。