Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 197.228 caratteri · 394 schermate
信盛もぜひなく口を緘んだまま彼の落着くのを待っていた。しかし烈しい咳声を抑えて病躯を揉んでいる半兵衛を前にしては、さすがに見ているのも苦しくなったとみえ、
「寝まれてはどうじゃ。御病間へ退って――」
と、初めて労りらしい呟きをもらしたが、少しも同情のある面持ではなかった。
「ともあれ、君公からお申し渡しのこと、近日のうちにかならずお果しあるように。……貴公の怠慢には呆れたが、さりとて、今ここでと申したところで仕方があるまい。安土へはそれがしから書面を以てありのままお答え申しておく。――いかに病中といえ、これ以上の遅滞は、遂に取り返しのつかぬ御立腹を君公より強いてお求めあるようなもの。くどいが、確とお告げしておくぞ」
と信盛は、なお咳に揉まれている相手に対して、その苦しげな容子をも無視しながら、強いて自分のいうだけを云い断ると、暇を告げて座を立った。そして縁づたいへ立つと、ちょうど出会いがしらに、顔のさきへ、薬湯の濃いにおいを盆に漂わせて運んで来た女性がある。
「お……」
「これは」
彼女はあわてて盆を下におきながら、客の足もとへ身をかがめた。板縁につかえた白い指先からその襟もとまでを、信盛はつぶさに見まわしながら、